佐賀県が日本一を誇る有明海のノリ養殖。そのノリ養殖に、なくてはならない「ノリ網」についてだよ。
ノリ網は、いろんな色があるよね。網の色はどうやって決まるんだろう?県や漁協の支所によって違う?人によって違う?年によって違う?
ノリ漁師40代:「赤と緑」
ノリ漁師50代:「グリーンと赤が主」
ノリ漁師50代:「紫と赤とオレンジ。今のところ、赤とオレンジと紫はそこまで変わらない、緑はちょっと調子良くないと思った」
なんの色かというと…ノリ養殖にはなくてはならない網!ではなぜ、人によって色が違うのだろう?
リポート:「熊本県の第一製網にやってきました。果たして網の色の謎は解けるのでしょうか?」
第一製網は、ノリ養殖用の資材を中心に製造するメーカーで、ノリ網のシェアはトップクラスといわれているんだ。
第一製網製造本部責任者 立石美智代さん:「ここがノリ網の仕立て工程になります。仕立て工程は4工程に分かれていて、今ここで耳付けをしています」
ここでは、糸とロープを縫い付けたり、網を切り分けて重ねるなどの工程が手作業で行われているよ。
第一製網製造本部責任者 立石美智代さん:「これは佐賀の網。一目一目、ノリがとれますようにという感じで縫っている」
今作っている網は来シーズンのもの。東北から九州までの広い範囲で使われるため、糸の長さや四隅の形が違うなどその地区にあったわずかな違いがあり数千種類に上るんだって。
第一製網製造本部責任者 立石美智代さん:「海でノリをとるというのは、荒い波のときもある。やっぱり一番仕立てというのが良くないと、良い品質のノリはとれにくい。重要なところだと思う」
そこで、営業担当の黒田さんに網の色について聞いてみたよ。
第一製網営業九州水産資材責任者 黒田哲太郎さん:「オレンジ、赤、青、緑、白、紫。おおまかにいえばこの6種類」
基本的にはこの6色だけど、オレンジと白以外はそれぞれ濃淡を付けることができるんだって。
第一製網営業 九州水産資材責任者 黒田哲太郎さん:「佐賀県で一番多く出ている色が緑。次に多く出ているのが赤い網になる」
そこで、生産者の言葉を黒田さんにぶつけてみたよ。
ノリ漁師:「(色によって)熱の持ち方が違うから、芽痛みしたり、乾きすぎたり、乾かなかったりする」
第一製網営業九州水産資材責任者 黒田哲太郎さん:「濃い色の方がノリ網は乾きやすい性質がある」「秋芽と冷凍は水温が違うのでそれに合わせて色を変えていると聞いたこともある」
ノリ漁師:「場所でも違うと思う。南川副と大詫間でも違うと思うし、西部も違うと思う」
第一製網営業九州水産資材責任者 黒田哲太郎さん:「やはり干満の差が、各地区で地盤の高さが違ってくるので、そこでも選ばれる色や色の濃さは変わってくるんじゃないか」
ノリ漁師:「個人差とか管理の差でも違うと思うが、網の色によってノリの成長が違うのは…全然違う」
第一製網営業九州水産資材責任者 黒田哲太郎さん:「どの色が良いか、一概には全く言えない」「どの色が優れているか、ノリ養殖に合っているかがわかって、それが本当に優れているのであれば、有明海の網の色は一色になっている」
長年、有明海のノリ養殖について研究している県有明水産振興センターも「乾き方など色によって差がある傾向はみられるが、しっかりとしたデータは取れていない」としているんだ。
第一製網営業九州水産資材責任者 黒田哲太郎さん:「一番は自分の養殖スタイル、その手に合った色を選ばれているのが多いと思うので、良いノリをとろうとする生産者のこだわりで色を選ばれている」
また、種の種類別やいつ買った網なのかわかるよう購入した年別に色を分けるほか、白い網や汚れた網を自分で染めたりトップクラスの生産者の色に同調したりする場合もあるんだって。
第一製網営業九州水産資材責任者 黒田哲太郎さん:「環境が毎年違うので、色も含めてどれが良い、これが良いというのは一概に言えないのがノリ養殖の難しさ」
第一製網営業九州水産資材責任者 黒田哲太郎さん:「(Q.これから増やそうと思っている色は?)新色ですか?生産者からこの色が欲しいと声が上がれば、何色でもつくろうかなとは思っている」
19年連続日本一を目指してまもなく種付けが解禁される県産のノリ。
今シーズンは少し網の色を気にしながら美味しいノリができることを期待しよう!
5歳の元気な男の子。
佐賀のことを知りたくて、いろんなところに出かけています。